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クライマーズ・ハイそしてバカ社長 [見る&読む]

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「東映」の映画を久しぶりに見た。感動したっ!

洋画しか見ないので、東映は、健さんの唐獅子牡丹以来である。

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映画は「クライマーズ・ハイ」。

死者520人を出した航空史上最大の事故「JAL128便墜落事故」で、「全権デスク」を命じられたジャーナリストの物語~♪

「男の嫉妬」がうずまく地方新聞社の雰囲気は、ちょっと身につまされるところもあって面白い。

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映画を見る前に本も読んだ。映画は、複雑なストーリーと人間関係をよく整理していると思う。主人公のジャーナリストの信条は「チェック&チェック」、つまり事実かどうか慎重に裏を取る。それが裏目に出て事故原因に迫りながらスクープを逃す「特オチ」を招く。動員できる記者が少ない地方紙の限界を超えられなかったわけだ。

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主人公は「生涯一記者」へのこだわりがある。この地方紙の中ではまっとうなジャーナリストなのだ。

バカ記者が「オレは政治部だぁ」と肩で風を切るような生き方はしない。ワタシも生涯一カメラマンあるいは映像ジャーナリストを目指したけど、一匹狼(羊?)として生きなくてはいけないので、とても難しい。

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JAL123便がダッチロールした1985年8月12日は、ワタシが松江から東京に赴任した日でもある。

11人の仲間を迎えての歓迎会が始まる直前、「日航ジャンボ」行方不明の一報が入って、そのままスタンバイになった。顔が知られている中は次々に、一張羅の背広とネクタイのまま飛び出していった。しかし、まったく知られていなかったワタシはどこからも声がかからず、そのまま居心地悪いまま過ごし、深夜ホテルに引き上げた。

しかし墜落現場はなかなかつかめず、朝までムダに山をかけめぐり、背広もよれよれになった帰ってきた。また、警察など関係機関が情報操作をして故意に救助活動を遅らせたという指摘もある。映画の中では地元消防団員が「夜中には墜落現場はわかっていた、警察が救助活動を遅らせた。すぐに始めていればもっと救えたのに・・・」という台詞がある。

余談だけど事故からだいぶたって頃、大型ヘリで事故現場の臨時へリポートに降りて取材した。取材カメラはβカム、偶然にも事故機と同じ「NO.123」のナンバーがついていた。

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さて事故の翌日・昼前、生存者救出の生中継映像が流れ、各社とも「ヤラレタ・・・」と騒然~♪

大スクープは、フジTVである。映画ではそのカメラクルーも伏線の必要上、しっかり描かれている。

地上カメラ映像を上空のヘリに打ち上げ(ヘリスター)、へりから地上局へ伝送したわけだ。

フジTVには、同じ手でそのごともやられてしまったことを覚えている。伊豆大島の三原山が噴火して、全島避難する時にワタシも現場にいたが、フジはその様子もヘリスターで生中継していた。ワタシはもともと別の番組でいたわけだけど、いまどき飛び道具を持たないカメラクルーなど出しても役に立たない。また、やられた・・・と指をくわえて避難船を待っていた。

映画は、全権デスクをまかされたジャーナリストが、修羅場の中で、男の嫉妬、社内の権力構造やジャーナリストの変質や俗物ぶりをあぶり出しつつ、奮闘する姿がよく描かれている。新聞社の社長(山崎 努)も、俗物というかバカ社長ぶりも、山形新聞などの例もあるのでリアルに感じた。

映画の中で主人公や若手記者と、編集局幹部の対立構造の軸は「大久保連赤事件」、ジャーナリストもよって立つところは過去の栄光、群馬では大久保事件や連合赤軍事件である。映画では解説なしで「大久保連赤」のセリフが出てくるけど、観客はちょっと意味がわからないかも・・・? その力関係を覆す520人死亡事故の指揮をとる主人公の周辺に男の嫉妬が渦巻くわけだ。

それとは少し違うかもしれないけど、かつてワタシがスクープしたリポートでも少し感じたことがある。仙台時代に数ヶ月かけて「水田での産廃投棄事件」をモノにして全国放送したけど、いろんなことをあぶり出してしまった。

詳しくはこちら~♪

政治部が幅をきかす構造は、新聞社も放送局もあまり変わらないようだ。一時、子会社全部が政治部がらみ社長になっていたりしたワタシのよく知っている会社も、バカ社長が支配するところとなったりして、けっこうな悲惨な状況もあるようだ。こんな社長の下で働けるのか?とできる社員ほどそう考える。バカ社長の会社でも辞める社員が続出したが、ま~いろいろあるけど、「クライマーズ・ハイ」は映画も小説も面白い。オススメである。

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日経プレミアシリーズ「バカ社長論」(著者 山田咲道氏)によると「会社の不調の原因はいつだって社長や管理職のデタラメな判断・行動にある」。某社東京事務所長として、身につまされながら読んでいる。

墜落したJAL123便墜落事故の原因は、圧力隔壁がこわれ尾翼にダメージを与えたため・・・とされている。しかし、疑問の声もいろいろでていて、自衛隊や米軍の模擬ミサイルが尾翼を吹き飛ばした説などがあり、映画のラストでもそうした疑念を提示している。

明日は、株主総会で松江~♪ 


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HAJIMEVISION

あの日の私は、札幌から九州福岡の家内の実家にまだ幼かった子供たちとともに夏休みで帰省しておりました。帰る前日があの事故。 ずっとテレビに釘付けでした。翌日、福岡から北海道に帰る便は、日航ジャンボ。機内でお客が広げる新聞は事故の記事一色で、スチュワーデスの顔が引きつっていたのを今でも思い出します。
 自衛隊員たちが現地の木を切り倒して作った患者(遺体)搬送用の急造のヘリポートに、マスコミ関係のヘリコプターが強引に着陸しようとしたとの話も後で聞きました…
 みんなあの事故の時、自分が何をしていたか鮮明に思い出すのではないでしょうか。それぐらい強烈なショックを受けた事故でした。


by HAJIMEVISION (2008-07-19 19:39) 

hamapro

このところ国内では、旅客機の大きな事故は起きていませんが、飛ぶものはいつか落ちる・・・ので、覚悟は必要かもしれませんね。

ヘリはどこにでも降りられるので、臨時ヘリポートが現場に作られます。報道も公共機関の一つなので使用申請を出すのですが、認められなかったということでしょう。私はその臨時ヘリポートに各社の連中と一緒に大型ヘリで降りたのですが、その時は話がついたわけです。

組織の思惑がぶつかり調整がつかないと、けっこう強引な取材もでてきますね。

by hamapro (2008-07-22 08:24) 

HAJIMEVISION

 まさに修羅場だったんでしょうね。
 札幌は今日も涼しいです。週末からようやくビアガーデンが賑わう天気になりそうです。
by HAJIMEVISION (2008-07-22 15:36) 

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