HC3で撮る<<撮影の基本 その1>> [HDV]
撮影編 その1
デジタル技術の成果で誰でもいまやカメラマンだけど、この世界もプロとアマがある。もちろんプロのようなアマがいて、アマのようなプロもいる。その区別は「腕」である。そしてスピード。腕がいいカメラマンは仕事が早い。しかし、早いからといって腕がいいわけではない。まぁ、いろいろと難しい世界である。
撮影という技を駆使する世界は、もちろん理屈は立派にある。しかし、体で覚え込むものである。つまり手作りの世界で、「基本」技が根底にある。この撮影の基本は、実はアマもプロも同じである。
しかし、同じことをやっていても、例えばビデオ歴20年のベテランアマチュアカメラマンはあまり進歩がなく、プロ歴1年の新人カメラマンがそれらしいのは、この基本を無視するか?、たたき込まれるか?・・・にある。「私はプロをめざしているわけではない」というが、ビデオは見てもらってなんぼ!の世界である。できれば基本をしっかり身につけるにしくはないように思う。何十年やって口だけ達者になるよりも、少しは腕を上げた方がいいに決まっている。
従ってこの元報道カメラマンの撮影編は、とにかくこれだけ!という簡単な内容である。
■ 基本の基本
ビデオは映像+音
映像=わかりやすいこと
ビデオ=現場の音または本音のインタビュー
つまり、この基本で撮影も編集の技も成り立っている。
そして、何のために誰にみせるのか?
■ 撮影の基本
カットがあつまってシーンをつくり、シーンが集まって作品にある。
では、1シーンを何カットで撮ればいいか?
① << 3ショット 撮影法 >>
1シーンは、最低3ショット(カット)で撮る
●引いて撮る(ロングショット) ●少し寄る(ミドルショット)●さらに寄る(アップ)これが基本である。
◆ では、まず外の映像から
← ① 引いて撮る
← ② 少し寄る
← ③ さらに寄る
◆ 建物の中へ入って・・・
← ① 引いて撮る
← ② 少し寄って
← ③ さらに寄る
② << こんな撮影はやらない >>
● やたらズーム ・・・ 意味のないズーム多用
● やたら振り回す ・・・ 目が回るようなパンニング
● 骨惜しみ ・・・ こまめにポジション、アングルを変える
● 衝動回し ・・・ 何のために、誰に見せるのか考えよう
つまり、撮影はFIX(固定)が基本。微熱があるがごとく絶えず動くカメラワークでは、編集が非常に困難である。とにかくカメラを振り回さず、ズームせずFIXで、3ショット撮影してみよう。必ず腕が着実にあがるはずである。
③ <<1カット何秒で撮るか>>
1カットの長さは最低5-6秒は見せないと、テレビの画面では分かりにくい。シャッターを押す撮り始めと、終了時はカメラがぶれて使えないので、10秒は撮る必要がる。もちろん、シャッターを押した瞬間から息をとめること。
どうしてもズーム、パンしたい時は、ズーミングの頭、尻は5秒間は撮っておくこと。シャッターを押していきなりズーム、ズーム終わりでいきなりストップはダメなのです。理由は、下記の■ 編集の基本の②。
もちろん、おもしろいシーン、大事なシーンなら撮りたいだけ撮るのは当たり前である。
④ << 三脚はどうする >>
いつも三脚を使うと疲れるし、セッティングに手間取ってシャッターチャンスを逃してしまいがち。私の場合、三脚は、必要なときだけ、たとえば風景、花のアップ、基本的に被写体が動かない時にして、それ以外は手持ちで撮影している。もちろん、ぶれないように撮るという技術が前提になる。
■ 編集の基本
撮影の基本と編集の基本は深い関係がある。
編集でタブーとされているのは・・・
① 同じサイズのカットはつながない → 撮影の基本①
② 動いている途中でカットはつながない → 撮影の基本②
理由は、映像の基本=わかりやすいこと・・・が、分かり難くなるからである。
■ 機材について
FIXでの撮影を基本にするには、ワイドコンバージョンレンズが必要。
HC1もHC3も標準では、画角がせまく「引き」のある絵、奥行きのある力強い絵を撮るのは難しい。最初にワイコンを買おう。
(写真など追加します)
ありがとうございます、このような技術指導は大変参考になります。
by 川路 (2006-08-01 18:21)