クローズアップ [自然]
これから「はらぺこアオムシ」の接写です。
接写で思い出すのは、30年以上も前に、16ミリフィルムで撮影したカタツムリの赤ちゃんのコト。
かつて「自然のアルバム」という番組で撮影した1シーンです。
カメラマンに成り立ての頃、ローカル局では全国放送の番組を撮影するチャンスはあまりなく、その数少ないチャンスが自然のアルバムでした。「カブトエビ」、「かたつむり」、「トラフズク」など、自分の提案も含めて5本撮影する機会がありました。
当時は16ミリフィルムのネガ撮影でした。(一般の撮影はポジ)
最初の撮影が「大山のかたつむり」というわけです。
カタツムリの産卵です。産卵口がふくらんで小さな卵が次々に産まれます。産卵口は、槍出せ~♪ 角出せ~♪ の顔の横にあたる部分にあるので、ちょっと奇妙な感じです。
ローカル局には機材に乏しく、マクロ撮影には苦労しました。
使用カメラはアリフレックス16、レンズはニコン・100ミリマクロ+蛇腹、アリ用マウントに無理矢理セットしてつかいました。フィルムはコダクローム16ミリネガフィルム、ASA感度は100と低く、露出の計算がやっかいでした。
卵の直径は2ミリくらい。
自然番組では産卵、ふ化シーンがハイライトです。経験の浅い新米カメラマンなので大変でした。
しかし、殻を破って次々に誕生するシーンの撮影までなんとかこぎ着け、新米カメラマンの腕もワンラックアップを果たしたような気がしました。当時、カメラマンの組織は「撮影部系」と「報道系」に分かれていました。私の所属は報道系だったわけですが、自然のアルバムの撮影が認められたのか、撮影部から声がかかったので、担務変更を申請しましたが却下!されました。
産卵とふ化シーンは、会社の屋上にセットをつくっていつでもスタンバイして撮影したものです。
無事、オンエアして屋上のカタツムリ御殿のことはすっかり忘れていました。 しかし、梅雨明けのある日、悲鳴が~♪
屋上はカタツムリの赤ちゃんでいっぱになっていました。
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